同じ月を見ている・早川剛展(はぐれベーダー51)
今日はGと同じ美術学校の日本画科出身の早川剛さんの個展の初日でした。以前の記事「第9回若き画家たちからのメッセージ2005(はぐれベーダー11)」以来の登場となる早川さんはGと同じ地区に住んでまして、昔にバイト先で偶然会ってからのお付き合いです。昔のバイト先ではGの先輩、学校では後輩という変わった関係にあります。以前の記事を見た方は憶えてるかと思いますが、早川さんは女性をモデルに描く事が多いのですが、なんでも今回は形を崩した抽象画といった意欲作との事。慌しく予定を済ませて銀座8丁目のexhibit Live & Morisという画廊に到着したGは一息入れた後に前々から個展でのデジカメ撮影は許可されてたので、早速撮りまくりました。
ところで、日本画というと、一般の方はこのような色使いの作品をイメージされるかと思います。
一般的には岩絵の具という日本が独特の顔料を使って描かれる日本画のイメージとしては、このような色使いが強いイメージとしてあります。白黒の濃淡で絵を描くとか、淡い色が多いとか、そういうイメージですよね。しかし、早川さんの場合はこんな感じの色使いをやってこられる方です。
以前の記事を見た方は「ああ、そうそう」と思われますが、赤、黄、黒を主体とした鮮やかな色使いが彼の絵の特徴です。厳密に言えば、この個展にはアクリル画も展示されているのですが、基本的な構成はこのようなものです。円が使うのも彼の絵の特徴のひとつですが、1枚目の絵のほかにこんな感じの絵も描かれている。
この絵はかなり大きなもので単純にふすま4枚分くらいはある。流れる、叩きつける、重ねる、交わる・・・様々な手法を凝らして、このような大作が構成されている。もちろんこれらは一部であり、商品もたくさん展示されてるので、非常に楽しめる内容となっている。
Gがこれらの絵を観て、一番に感じたのは、意外にも安らぎだった。この激しく感情を叩きつけた絵からそれを感じたのである。それは何故か?exhibit Live & Morisという画廊が地下2階にあり、天井が高いということもあるかもしれない。しかし、それ以上のものをこれらの絵から感じるのである。動きのあるものから「静」を感じたのである。上手く表現できないが、例えて言うと、大きな滝があったとする。滝には激しく大量の水が流れ込み、力強く滝壷に叩き込まれる。でも、そこから人間は「自然の安らぎ」を感じ取る。その感覚にすごく似ているのである。エネルギッシュでありながら、そこから「静」というものを感じ取れる。今回の早川さんの展示された絵からはそういったものがGには思えたのである。早川さんは基本的に下絵は描かず、画面上に感情の任せるがままに絵を描くそうだ。計算、というものがなく、その計算がない分、そのエネルギッシュな、そして自然な感じで表現されているように思う。形を崩したのは成功したように感じる。
ところで、ここには掲載できない、というか、掲載を避けた絵がある。実は早川さんは今、公開中の映画「同じ月を見ている」に絵を提供しており、そのうちの1枚をこの個展で展示しているのである。はっきり言ってその絵を載せると映画のネタばれになるので、ここに掲載しませんでした。もし、もっと早川さんの絵が観たいという方は、映画「同じ月を見ている」を観て頂くか、銀座8丁目の東成ビル地下2階にある画廊exhibit Live & Morisで12月3日(土)までやってる個展を観に行かれるか、どうしても銀座へいけないという方は、このブログにリンクしてあるHP「早川剛の主に日本画」でも一部観れますので、そのいずれかを選んでくださいね。ちなみに早川剛展の展示時間は12:00~19:30で最後の12月3日(土)は17:30まで、さらに地下にありますので、携帯は使えませんのでご注意ください。
時間ギリギリで何とか間に合った!病院系は重要事項を書きますので、これからの「ひいろお倶楽部@」も要チェックです!では!
「第9回若き画家たちからのメッセージ2005(はぐれベーダー11)」